『悠久のティアブレイド』感想【ネタバレ有and無】
こんにちは、ぽぽたんです。
乙女ゲームのSF大作こと『悠久のティアブレイド』をトロフィーコンプリートしましたので感想を書きたいと思います!
一言感想を言うなら、SF作品としては合格だけど期待しすぎました/(^o^)\
悠久のティアブレイド -Lost Chronicle- - PS Vita
- 出版社/メーカー: アイディアファクトリー
- 発売日: 2016/09/08
- メディア: Video Game
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あらすじ
戦争によって成熟した機械文明は破壊され、数千年が過ぎても復興することはなかった。
スラム街で暮らす少年シュドは、上流階級と思われるアタルヴァという少年に出会い、巻き込まれるまま地下都市『ネオスフィア』へたどり着く。
そして、3000年生きているという少女イヴと出会うのだった。
簡単な世界観説明
この物語は、シュドたちの住む「地上」とヒロインであるイヴの住む「地下都市・ネオスフィア」が舞台です。
シュドの住む「地上」は環境の汚染によって、空は曇り、謎の病気が蔓延しているため人類の平均寿命は極めて短いものになっています。
また人は工場で生まれ、その能力によって武官やスラム界へと振り分けられています。
ヒロインであるイヴには自他問わず修復することのできる「ナノマシン」を使用する能力があります。
この「ナノマシン」を利用すれば、地上の環境汚染も改善することができるのでは?
かなり様々な設定がプレイしていく上で詰め込まれていくのですが、上記のこれだけ念頭にいれて、あとは物語に流されるまま身をゆだねてOK!!!
SF作品なので後付けで設定が金魚の糞のようについていくぞ!
気にしたら負けだ!SFとはそういうものです!
【ネタバレ無し】感想
シナリオ
今からファンの方々を傷つけてしまう発言をするので、本当に申し訳ないのですが、オトメイトのSF作品はうーん。。。な作品が多くてあまり得意じゃなかったんです。
ですが本作『悠久のティアブレイド(以下、ティアブレイド』は、ガチンコSFという評判を耳にしましたのでプレイに至りました。
結論から言えば、ティアブレイドはガチンコSFだしロボットバトルものです。
裏を返せば、SFとロボットが苦手な人はやらないほうがいいぞ!最後まで「何が起きているんだ…」と真顔のままになるタイプの作品です!
私はSF作品がとても好きで、ゲームだと『バルドスカイ』がロボットSF枠では一押しなのですが、常々乙女ゲームでもそういう熱を感じる作品がやりたかった。
やりたかったんだ…。
ティアブレイドはよく練られているし、矛盾もみあたらないしで、SF作品としては良作の部類に入ります。
俯瞰してみると一本道シナリオなんですけれど、攻略キャラクターによって様々な見方ができるため、飽きさせないシナリオといっても過言じゃありません。
どのキャラも一人一人物語に欠かせない大切なパーツの一つです。
ちゃんとキャラが立っているので、シナリオが動かしているのではなく、キャラクターが動いている感がちゃんとあります。
オトメイトSF作品枠としては、最高峰だと思います。キャラクターもシナリオもよくよく作られています。
乙女ゲームでSFロボがやりたいならティアブレイド以外の選択肢はありません。
ティアブレイドは『HAPPY_END』『TRAGIC_END』というものが各キャラクターに用意されています。
この『TRAGIC_END』が悲恋好きにはたまらなくグッとくるものになっています。
とにかく切ない。
SF作品だからこそできる味のあるエンディングです。
私はハッピーエンド厨なのですが、どのキャラクターもそちらのエンディングの方が好きだったりします。
ただティアブレイド、手放しでは人に勧められなくて…。
じゃあ何が不満なんだ!という話になるのですが、一つ挙げられるのは意外と世界観が狭いというところでした。
「ナノマシン・ロボット・破壊された過去文明」というわくわくワードに踊らされ、期待しすぎてしまった部分があります。
こればかりは乙女ゲームの特性なのですが、”攻略キャラクター1人”をメインに据えての真相ルートを作りにくいのです。
それはつまり、全キャラに同じようにシナリオ要素を分散しないといけないため、物語のインパクトが薄れやすいことに繋がります。
こう、なんとも言えないのですが、意外とヒロインたちの活躍するフィールドが狭かったので、同時にこじんまり感を抱いてしまったのが不満につながるかと思います。
そういえば男性向けのSF大作なんて「サブヒロインは前座」ばかりですね。
好感度の高いヒロインから遺書の届くマブラヴオルタとか開き直っていて大好きです。でも超名作。
ということで期待しすぎると惜しい作品だが、「どうしても乙女ゲームでSFがやりたい!」という方にはおすすめのゲームです!
システム面
基本的には快適なのですが、スキップがどうしても長くなりがちなので選択肢まで飛ばすものがあれば楽だったな…と。
3分放置しても終わってなかったりするのが平常運転です!
ティアブレイドをプレイ=カップラーメンをたくさん食べれるの図式ができますな!
おススメ攻略順
私のおすすめは↓↓です。
シュド→アタルヴァ→ヤジュル→クレイドル→ロウ
公式では最初の攻略キャラはシュドとアタルヴァの好きな方で…とのことなのですが、アタルヴァはどうしても補完的なストーリになるので、「最初からティアブレイドの世界にひたりたいぞ!」という方にはシュドをおススメします。
シュドルートはこれぞティアブレイド!というほどティアブレイドなシナリオなので、世界観設定や作品の雰囲気を大切にされたい方はそちらからがおすすめです。
シュドのルートを割と最後の方にプレイしたのですが、もっと早めにやっておけばティアブレイドを更に楽しめたのになと後悔しましたので…。
参考にしていただけたら幸いです。
キャラクター
私の一押しはアタルヴァです。
こいつも色々抱えているので難しい宿命を背負っているのですが、彼自身が葛藤を振り切った時のカタルシスが凄いので是非攻略してあげてください。
そして『TRAGIC_END』が一番切ないといっても過言ではない( ;∀;)
あとクレイドルが健気でいいやつなので、可愛がってあげてください。
悠久のティアブレイド -Lost Chronicle- - PS Vita
- 出版社/メーカー: アイディアファクトリー
- 発売日: 2016/09/08
- メディア: Video Game
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以上!ネタバレ無しのレビューでした。
下記はネタバレ有りのものになるので、お気を付けください!
ネタバレ有り感想
先述した通り、あまりしっくりとこなかった理由として「意外と世界が狭い」というのもあるのですが「便利ツールが頑張りすぎる」というところもあります。
それはクレイドルであったり、アイナさんであったり。
ネオスフィアについて無知な、イヴ・シュド・アタルヴァがメインなので解説役が頑張るのは仕方ないのですが…。
ヒロインやキャラ達が敵を倒せない理由が、”無知”に起因するところが多いので、圧倒的サポーターであるクレイドルに頼りすぎているため、作品のテンポが悪くなるところは否めませんでした。
また、クレイドルが活路を見出す→敵に出し抜かれる→攻略キャラ(もしくはイヴ)が思いついた方法を試す→勝つ という戦闘テンプレートが出来上がってしまっていたのも残念でした。偉そうに話して恐縮ではありますが…。
戦闘のテンポが悪くなるのも、ティアブレイドに2人で乗るところにあるのかなと。
1人で動かすだけならクレイドルのサポートを受けながら動かすだけなのですが、2人乗ると相談する場面だったりが必然的に多くなるので。
その分、ほぼシュドが一人で動かしているようなもののトゥルールートラストバトルはテンポも良いし熱いしで、きっと製作者はこれをやりたかったんだろうなあと思いました。
とはいえ、戦闘も趣向を凝らしているので、ハンコにはしないぞ!という努力を感じるため悪くはないんです!悪くは!
ド畜生ヤジュルが墓を踏もうとするやつとか好きです!笑
どうしてこんなにしっくりこないんだろう…と考えてはみたのですが、アルカディアの神とする上位存在もしっかり始末してほしかったところもあったのかもしれません。
もしくは描写がほしかった。
おそらく、"人の作り出した過ち"としての存在であるアルカディアなので、アルカディアが人類をデータ化したがるのも彼自身の理論で考えたことだとすると、神と崇める上位存在は関係なかったりするのかもしれません。
ヤジュルルートからわかるように、この世界において”神”とは「手を下さない」存在です。
つまりただアルカディアはそれを信奉しているだけ…ともいえるのかもしれません。
完全自立型AIが迷惑をかけまくった時代の話も詳しく知りたい~
でも感情を持たず合理的な思考ができるはずのAIが、こうやって人類補完計画(笑)に意固地になったりするあたり、思想を持つAIは人間に近いのかもしれません。
なんだかんだクレイドルと同じく、人間みたいな存在ですね。アルカディア。
いや~、ロウ√の幸せ度が増せば増すほど、いや報われて良かったね~となるのですが、アタルヴァ√は補完じゃないか!と思ったりもやもやしたりしました。
どうしてもアタルヴァ√で不明だったことをロウ√で語られるので、アタルヴァはロウの記憶の器という関係上仕方ないのですが、うーん。
公式で語られる通り、アタルヴァ√は自立の物語なのでそういう意味では最適なのかもしれませんが、彼が不憫になりました。
いやいや物語的にはロウがナンバーワン不幸なのは間違いないんですけどね!!
人気投票一位もうなずけます。
キャラクターたちも仲が良くて(ヤジュルはいろいろあるが)凄く楽しくプレイできたんですけれど、どうしてもモヤモヤしてしまうのは期待しすぎたせいか!?
やはり環境浄化ナノマシンという単語が出てきた時に『バルドスカイ』を真っ先に思い浮かべてしまったのが悪かったのか!?
ティアブレイドの前に『装甲悪鬼村正』をやってしまったのがよくなかったのか!?(この作品も名作)
乙女ゲームSFとしては本当によくできているゲームなんですけれど、ロボSFという枠組みでは普通ぐらいかな…。
ぐちぐちとした感想になりましたが、絶賛レビューが多い中、こういうものがあってもいいのではないかと思いつつ…。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
悠久のティアブレイド−Lost Chronicle− 公式アートワークス
- 作者: アイディアファクトリー,デザインファクトリー,一二三書房,いけ,きなみ由希
- 出版社/メーカー: 一二三書房
- 発売日: 2016/11/25
- メディア: 大型本
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