『ペルソナ5』レビュー(ネタバレ有りand無し)
こんにちは、P4は4周したぽぽたんです。
発売日にウキウキで購入した『ペルソナ5』を2周クリアしたので感想を書きたいと思います。
8年もかかった集大成、ずご~く面白かったです。
1つ言えるのは、「ラスボス知っちゃったよ~」という方もネタバレが重要ではなく、ネタバレに至るまでの魅せ方が凄く良くて…その後も泣けるほど最高のシーンがあって…なので、少しでも気になったらプレイして欲しいと思います。
Pシリーズが好きだからこそ、いい意味で裏切られたところの多い本作。
ネックは一周80時間かかるという最近では珍しい超ボリュームですが、だからこそ作品の世界観に没頭できる!終わる時は寂しくてすぐ二周目はじめてしまう!笑
※核心のネタバレはしません※
※作中の9月あたりまでのちょっとしたネタバレがあります※
考察はこちら
システム周りの簡単なレビュー
プレイ時間
一周目:難易度Normalで、78時間でクリア(※トロコンや図鑑埋めはナシ)
二周目:難易度Normalで、50時間でクリア(※トロコンして図鑑埋めしました)
一周で80時間かかるとされているP5ですが、P3P4をプレイ済みのためシステムを理解している私は、初見時は78時間でした。
シリーズ未プレイだと、戦闘システムや友好度を上げる日常タームに慣れるのに時間がかかるかもしれません。
会話パートやムービーはだいたいスキップできるので、二周目はさくさくスキップ。
イベントごとカットするタイプではなく、セリフを早送りするようなスキップ形式です。
戦闘難易度Normalに関して
初見時は歯ごたえがありますが、ボスは苦戦しながらも(アイテムを駆使しながら)
ペルソナシリーズではお馴染みの『攻撃力上げて、相手の防御下げて、弱点をつく』をちゃんとできれば難しくないかと。
倒せなくてもアイテム補給やレベル上げをすれば「積んだ…」という状況にはなりにくいかと思います。
二周目でNormalだと楽勝すぎて雑魚敵レベルだとオートで殴って倒せます(笑)
そういう意味ではサクサクできますね(ただし周回には50時間近くかかる模様)。
戦闘システムについて
基本的な弱点をついて殴るというシステムは変わっていません。
感覚的なものですが、今回は物理がかなり優遇されている気がします。過去作はもう少しバランスが良かったような。
とはいえ、ムドオンやら即死をうってくる敵も健在で、油断していると一瞬でゲームオーバーになるのは変わりません。
今作もバッチリ緊張感があるので、戦闘で眠くなるということはないと思います。
あと終盤に加入する春(ちょっと育てる必要がある)が物理キャラとして強すぎる&コンセントレイトを覚えた杏が強すぎる感は否めません。
戦闘後のリザルトが凄くスタイリッシュです。ちなみに△を長押しすれば飛ばすことができます。
ダンジョンについて
本作のメインはガッチリ作ったダンジョンで、いつものランダムで変わるダンジョンではありません。
また謎解きや仕掛けが満載&長めなので攻略に時間がかかります。
そういうところでは一部不評があるのも確かなところです。
ですが謎解きもそんなに難しくない上に、PS2時代のRPGに触れている方には苦に感じないかと思います。
最近プレイしたFF10HD版の方が鬼のように面倒くさいダンジョンが多かった。笑
「ただ道沿いに進んで敵を倒すだけのダンジョンで良い」という方にはおすすめできません。
ダンジョン内にセーブポイントが要所要所にあるので、もしも全滅してもメンタルへのダメージは少ないかと思います。
ありがたいありがたい。
他のシステムのあれこれ
ロード時間:PS4版でプレイしましたが、日付が変わる場面でのロード以外は苦ではありませんでした。そのロードも10秒ちょっと程度なので、たいして時間はかからないかと思います。
日常タームのシステム:いつものPシリーズです。
ダンジョンで物陰に隠れるアクション:多少融通が利かないところもありますが、あまりストレスはありません。隠れられなければダッシュで追いかけて殴れば良し!!
音楽レビュー
P3P4の戦闘曲のようにガッツリ印象に残る曲は少ないなと感じます。
何かのインタビューで作曲を担当されている目黒さんも「本作は手堅くキャッチーさを求めずに作った」と話していらっしゃったので、そういう意味では制作側の狙い通りなのかもしれません。
とはいえBGMのオサレ感はさらに磨きがかかっています。
通常戦闘曲の『Last Surprise』はスルメ曲なので、次第に耳に残っていきます。
またPVでもお馴染みの作戦決行日に流れる『Life Will Change』は本当に
カッコいいです!怪盗の美学が詰まったような曲です!好き!
個人的には日常タームの曲が頭の中でループしつづけるぐらいになりました。なかなか離れてくれない曲です。
シナリオレビュー ネタバレ無し&ちょっと有り
ネタバレ一切無しのレビュー
私はP4のあのアットホーム感や戦闘の楽しさに心底ハマって何周もしたこともあり、シリーズ新作は楽しみでもあり、不安もありました。
ですが全て杞憂だった。
PS4のJRPGでは名を残すレベルの傑作です。
かつてのP4GがVITAでプレイできるJRPGで真っ先にオススメされるような、あの立ち位置になると思います。
感想は本当に楽しかった…の一言に尽きるレベル。笑
あえて例えるなら、P3とP4の良い所をピックアップして、ペルソナ2のようなダークさをふりかけたような感じです。
P4は悪役にも同情すべき点をしっかり描いていたかと思うのですが、P5はそこを差し引いても糞野郎な悪党ばかりです。
こんなにゲームの中のキャラクターに対してヘイトを抱いたのは初めて…(特に一番最初のボス)と思う程、糞野郎の糞野郎な点を丁寧に描いています。
ですので、キャラクター達もプレイヤーも「是非もなし!成敗する!」というテンションにしっかり持って行ってくれます。
ペルソナ5は「一度やってしまったあやまちは償うべき」というスタンスを崩しません。
社会に揉まれ他人の悪意に晒され歪んでしまった大人達を、社会に染まらない高校生達が断罪する…という表現は悪くきこえてしまいますが、「事情があるにしても人が嫌がることをしては駄目だ」という根本的なことを説いています。
悪意の連鎖を断ち切るために、彼らは戦っている節もある。
プレイヤーの年齢層によってシナリオの見え方が変わってしまうゲームなのは確かです(確かプロデューサーの橋野さんもインタビューでおっしゃっていた)
仲間になるキャラクター達も様々な一面を持っている子ばかりです。
陸上部を廃部に追い込んだ不良のような出で立ちの竜司は、お調子者だけど根は凄く真面目であることが付き合っていけばわかりますし、
明らかに派手なギャルのような姿の杏は、ハーフ美少女という属性のおかげで周囲から敬遠されて孤立しているだけで、気が凄く遣える明るく真面目な子だったり。
正直Pシリーズでは異質なぐらい真面目で常識もあり慎重な子達です(ある意味、竜司は除く)
参謀担当キャラがとても頭がキレるため、プレイヤー程度が気がつくことは全て言及してくれるため全くストレス無くプレイできます。
「怪盗をやっていて足がつかないのはどうしてか?」とか「あの意味深な発言の意味は?」とか、大体サクッと疑問に答えてくれたり提示してくれます。
プレイヤーの感じた違和感や疑問は大体そのキャラが言及してくれます、RPGでここまでストレスがないのは初めて。笑
またマスコットキャラであるモルガナがほんんんとうに、良い奴です。
P4のクマみたいな立ち位置になるのかな?と思っていましたが、良い意味で裏切られました。主人公たちの旅路をナビしてくれる良い猫です。
またパーティメンバー以外の町の人間とも交流することでコミュ(本作はコープ)ができます。
コープができるキャラも最初は「なんだよコイツ…」となりますが、話を進めていくと様々な事情を抱えていて現実に疲れていることがわかります。
他シリーズよりも魅力的なキャラが多いなと感じます。好きなのは太陽と法王ですね!
シナリオは先が気になって中々ゲームのやめどきが見つからなかったですね。
またシリーズファンだからこそ色々な節々で出し抜かれたり、アッと言わせられたり…とても振り回されました!
雰囲気は、あえて言うならP4の穏やかな人間関係を引き継いだ末期のP3みたいな感じなので気なるシリーズファンはやるべきですよ!
ちょっとしたネタバレ有りの感想
※9月あたりまでのちょっとしたネタバレを含みます※
※9月は物語の折り返し地点です※
まず名前を入力するあたりから驚かされました!
いつもだとベルベットルームで名前を書かされるのに、まさかあそことは…!と!
この驚きを感じたあたりから、発売日の一切ネタバレが出回っていない時期にプレイできて本当によかった…と安堵しました。
しかもあのムービーも改めて見返すと笑っちゃうほど仕掛けが盛り沢山です。
仲間との距離感もベタベタしすぎず、かといってビジネスライクでもなく、凄くちょうど良い居心地です。
個人的には、杏と真の壁がP3のようにならないぞ!と真っ先に打ち砕かれたのが凄く良かったです。安心してプレイできるゲームだなと思いました。
居場所がなく彷徨っていた高校生達が、「怪盗として世直しをする」という目標を見つけて生き生きとしていく。
一見暴走してしまいそうですが、キャラ達は理性的で何か行動を起こす時はストッパーが機能する。いやあ、とてもストレスがない!
「世の中のため」「仲間のため」活動する怪盗団。
義賊モノなので協力者はとても少ないのですが、それでも彼らは巨悪に立ち向かっていく…。
そこであのラスボス戦です。演出がとても良かった。
本作は人間の『認知』『認知の歪み』がテーマであり、ゲームを通して伝えたいことが明確に提示されています。
ペルソナシリーズってこんなにメッセージ性あったっけ!?と驚きました笑
だからこそ思春期の若い子達に沢山プレイしてほしい~と思います。学生は80時間もゲームする余裕がないと思うけれども…。
だからこそ「各々の認知した正義への解釈の違い」みたいな所に物語の焦点があたるのかな?とも思いましたが、そこに関してはもっと普遍的な「人の嫌がることをしない」みたいなところで終着したのも良かったです。義賊です。
人は言葉を弄して難しく考えるからこそ、どんどんありのままを受け入れられなくなり、認知が歪んでいくのだろうなあ。
双葉の話も「本当にジョーカー達がいてくれて良かったねえ」と涙しました。ペルソナはやっぱりトラウマを乗り越えてこそだよね!笑
しかしながら、ペルソナの発動の仕方も「自分を受け入れて」ではなく「反抗の意思」というのが凄くクールです。
イイコヨイコであろうと我慢して抑圧されてきた高校生達が、社会に立ち向かう。
良い物を良いと、悪いものを悪いと言えない世の中なんて…。
悪い大人に抑圧されて歪んでしまったかつての高校生達が成長してまた誰かを傷つける。
そんな構図が許されてたまるか!と皆奮闘するのは凄くグッときました。
こんな情勢だからこそ「反抗の意思」でペルソナが発現するのはとてもカッコイイですね。
個人的には祐介が好きです。
おイナリ、面白いし序盤は重宝するし最高だよね。ラーメン屋に連れて行く時は「お金大丈夫?」と心配していました。
冴さんも、真へ暴言を吐いた事実は消えないけれど好きです。川上先生の主人公に対する最初の態度は無くならないように、少しずつでも努力すれば人間関係は改善できる。そういうゲームなのかもな。
最後に
本当にP5面白かった!
いまのところ真エンドはみつかっていないのですが、プレイできる日を心待ちに…心待ちに…三周目をします…。
考察記事を書きました!
プレイ後にどうぞ閲覧ください。