ぽぽたんのうつハック

ぽぽたんは飼い猫のあだ名です。
















『三国恋戦記 魁』レビュー ネタバレ無し&有り

こんにちは、乙女ゲーム大好きぽぽたんです。

みんな大好き「三国恋戦記~オトメの兵法~」の前の時代が遊べる作品こと、『三国恋戦記 魁』をクリアしましたので感想です!

感想を一言でいうならばう~切ない~でも面白い~、前作の感覚でプレイをするとやけどする~」です。

 

三国志を乙女ゲームにアレンジする高スキル今作も健在なので少し迷っている程度の前作スキーは記事を読まずに購入をおススメします。

でも「三国恋戦記 魁」だけで物語が成り立つので、前作をプレイしていない人も凄く楽しめるかと思います。この機会に『三国恋戦記』に触れてみてくださいね。

 

下記からはネタバレ無しのレビューです。

 

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三国恋戦記 魁

 

 

【ネタバレ無し】レビュー

簡単な作品紹介

弓道部の部長である主人公は、ずっと友達だと思っていた男子生徒から図書室へ呼び出しを受けた。

きっとこの返答で2人の関係は変わってしまう。

でも今まで彼氏なんていなかったし、誰かに恋をしたこともない。

不思議な高揚感と一方で焦燥感を抱き待つと、ふとある本が目にとまった。

その本を開き、性格診断を受けると、主人公は「三国志」の世界に飛ばされてしまうのだった。

 

PCゲーム

「三国恋戦記 魁」(さんごくこいせんき さきがけ)

総プレイ時間 18時間程度(1人√あたり4~5時間)

攻略キャラ 総勢5名

 ちょっとした前置き

みなさんは「劉備」「曹操」「孫権」が活躍した戦乱の三国時代、三国志に馴染みはあるでしょうか。

ちなみに私は三国志に関して全くのNO知識で前作の「三国恋戦記~オトメの兵法!~」をプレイして、大層感銘を受け横山三国志を読んだ程度の人間です。

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(みんな大好き「げぇっ関羽」)

 

もちろん三国志の知識があればあるほど「三国恋戦記」の完成度の高さに唸るプレイができるのですが、無くたって全く問題ないように作られております。

劉備は頼れる兄貴玄徳、曹操は切れ者だがつかみどころのない孟徳、孫権はカリスマで兄の代わりに国を率いる仲謀…等々、乙女ゲームとして親しみやすいようにアレンジされているのでなんの構えもなしにプレイできます。

 

…とまあ前作の前知識を挿入したのですが、本作『三国恋戦記 魁(以降、魁)』の凄いところは前作の知識が全くいらない。

もちろん前作のキャラも昔の姿として登場はしますが、あくまでサブキャラクター。

初めて恋戦記の世界に触れる方にこそ”ただのサブキャラクター”として感じる程度の、程よい存在感に調整されていると思います。

しかし孟徳が歴史へ与える影響は尋常じゃないのでそれなりに活躍はします。歴史と同じ。

 

前作の「三国恋戦記~オトメの兵法!~」が勝者である先の三英雄の物語なら、

本作「三国恋戦記 魁」は彼らに負けた敗者の物語であり、敗者の歴史です。

 

かなりの良作ですがかなりシリアスです!とても切ないです!驚くぞ!

 

キャラクター紹介

突然ですが、本作の攻略キャラクター達は歴史的にはだいたい嫌われ者なのでそのイカれた人物像を紹介します!

 

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☆仲穎(ちゅうえい)(董卓)

・彼のせいで数百年続いた王朝はぶっ壊れる。土地は荒れ、民は飢え、暴力が支配する世紀末時代へ本格的に突入する。

酒池肉林に溺れ、愚昧な政治・愚昧な戦により天下も早々に終わる。

・創作では醜男に描かれることが多い。

 

 

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☆呂奉先(りょ ほうせん)(呂布)

・みんな大好き呂布。三国志演技最強と名高い武人であるが、脳みそが筋肉でできていることでおなじみ。

・仲穎と親子のような関係であったが、2人が貂蝉という1人の女性を愛してしまったため血で血を洗う騒動に(演技より)。最終的に呂布は親殺しをしてしまう。

・様々な領主に仕えるもだいたい強い側に寝返ったため、裏切りの代名詞のような存在。

 

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☆孫 伯符(そん はくふ)(孫策)

 ・本作唯一の平民に好かれている王様枠。短期間で勢力を大拡大したり投てきで武将を一撃死させたりゲームのキャラのようなチートさ勇猛さにより、人は彼を『小覇王』と呼んだ。

・とはいえ、性急な勢力拡大は恨みも買いやすく、袁家や曹操(孟徳)はとてもとても警戒していた。

・幼馴染の軍師・周瑜(公瑾)は伯符亡き後、後継者の孫権(仲謀)に仕え、あの赤壁の戦いや荊州の戦にて大活躍した。ちなみに孫権も周瑜も前作で攻略できる。

 

 

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☆袁 本初(えん ほんしょ)(袁紹)

・名門袁家の御曹司。だが血筋を鼻にかけず謙虚でいる姿は多くの人の支持を集め、彼の元には優秀な人材が次々に表れた。

・だが袁紹(本初)は人を見る目がない&重大な決断を誤る星の元に生まれていた…!ついでに決断が遅く、後の祭りになることも多かった!!

・軍師のいうことを退けたせいで曹操(孟徳)に大敗したり、猜疑心のあまり忠臣・田豊(田将軍)を殺してしまったり、三国志においてつくづくかませ犬…なんというか三流の武将だった。

 

 

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☆華陀(かだ)

・当時としては珍しく外科手術ができた名医。ちなみに麻酔をつかった手術法がようやく表に出てきたのが19世紀なので当時の外科手術ヤバさを感じてほしい。

・関羽(雲長)を手術したり、董卓(仲穎)と呂布(奉先)の決裂の原因となった貂蝉の整形手術をしたり、いろんな人間を治療した逸話がある。

・そして曹操(孟徳)のお抱え医者になったが、「母が死んで故郷に帰りたいのでお休みをください」とか「頭痛を治すには頭蓋骨を割って腫瘍をとらなくてはいけない」など言い武帝を怒らせ処刑されたという。さらにちなみに曹操(孟徳)は自分の頭痛を和らげてくれる唯一の医者であった華陀を殺してしまったことをかなり悔いている。前作の三国恋戦記の孟徳にもそのようなセリフがある。

 

まあどの人物もだいたい曹操こと孟徳のせいで死に追いやられるわけですね!

うーん、本当に孟徳は信用できませんね!ワッハッハ。

想像していたよりも登場人物紹介が長くなって申し訳ないのですが、下記は簡単なレビューです。

 

簡単なレビュー

 先ほども書きましたが前作が「勝者の歴史」ならば本作は「敗者の歴史」。

前作は全て攻略キャラクター達が勝ち戦をするために巡っていた世界なのですが、本作は運命に逆らえず負け戦になります。

主人公にも攻略キャラクター達にも過酷で熾烈な戦乱の世を生き抜く運命悲運を跳ね返す力もない。

ただただ悲しい運命の風に翻弄される…そこが前作との大きな違いとなります。

簡単に言えば悲恋ですね。

 

とはいえ、人は大切な人を守るためにどんな酷い宿命を背負っていても生き抜かなくてはならない。

運命の渦に巻き込まれ死んでしまう大切な彼が生きることを祈りながら、主人公は自分にできることを半ば諦めながらも探し続けます。

主人公、かなり健気で頑張り屋さんで好きです。

 

かなり作品の雰囲気は暗いです。

とはいえシナリオにメリハリがあるため、「暗すぎ…これ以上キツイ無理…」となることもなく一気にシナリオを読破できます。

あの夢中になって進めてしまうシナリオの良さも健在。何度も目がしらが熱くなりました。

そしてキュンキュンポイントもちゃんとあります。

甘めなキャラもいれば、せめて、せめてもっと一緒にいさせてあげて…と懇願してしまうほどもどかしいキャラもいるのでそれぞれかな。

 

前作に比べシナリオのボリュームはありませんが(そもそも前作が大ボリュームすぎる)その分圧縮したんだろうな…という名残を感じはしますが、よくよくまとまっています。

確かにもう少しシナリオを足してほしいとは思うのですが、それはこの作品が本当に良かったから。

良い作品だからこそもっと彼らを補完してほしいという気持ちが隠せません。

頼むから移植とかFDとかで話を足して~!お願い~!

 

ただ一つ、前作のような雰囲気を期待してプレイすると鈍器で殴られる程度にはシリアスなので気を付けてくださいね!

本当に面白いし萌えるけどね!そればかりは物語の性質上仕方ない!

 

 

正直、発表から間もなく出たので(延期したとはいえ、PCゲームではかなり早いスパンで出たと思う)心配していたのですが、完全に杞憂でした。

本当に面白かった。。。。

PC環境のある乙女ゲーマーにはかなりおススメしますし、PC環境のない乙女ゲーマーは今すぐDaisy2にVITA移植依頼メールを出すんだ!!!今すぐ!

 

 おすすめ攻略順

 華陀は他4人をクリアしないと攻略できません。

物語同士の結びつき薄いので、好きなキャラから攻略するのも良いかと思います。

ちなみに仲穎と奉先のどちらを先に攻略するかで両者の印象が変わるかと思います。

おすすめは↓の通り。

・仲穎→奉先→本初→伯符→華陀

・奉先→仲穎→本初→伯符→華陀

 

 

 

三国恋戦記 魁

三国恋戦記 魁

 

 

 

 

下記はネタバレ全開の感想です~。

 

 

 

【ネタバレ有り】感想

余談

せっかくなので余談から始めますが、良シナリオ乙女ゲームにおけるジンクスが本作にもありました。

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仲穎シナリオにおいて、いい雰囲気(?)になるも奉先に邪魔された仲穎が「巫山に雨が降ろうものを」と呟いたが意味の分からなかった巴こと貂蝉、奉先に尋ねます。

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無知で可憐な処女に、性の知識に関してあくまで淡々と解説する乙女ゲームは良シナリオのジンクス。

本作も例にもれず良シナリオだったなあ。

 

下記はバンバンネタバレしていくので、未プレイの人はアマゾンとか楽天とかアニメイトで買ってね!それか移植希望メールを公式に送ってね!

 

総合的な感想

かくいう私も前作がとても好きで、本作が発表された時はぶったまげましたが凄く楽しみにしていました。

攻略キャラクターがだいたい三国志における悪役ポジションだけど本当に大丈夫?とは思いながらも、まあ主人公がなんとか悲運を回避する系なのかな?と気楽に考えていたんですよね。

 

気楽に考えすぎでしたわ。

もうね、何度主人公の巴ちゃんは軍師じゃないんか!普通の女の子なんか!と思ったことか。

 

前作の主人公は「”たまたま”不思議な本に願えば策を授けてくれる(苦境を打開する未来を授けてくれる)こと」を知るのですが、本作の主人公は「未来を教えてくれる不思議な本」以上の存在ではないのです。

孔明のような超絶有能に拾ってもらえなかった子の1つの可能性を見続けることになります。

なので必然的に主人公は本の内容の行間を読むような対処しかできない。

つまり本の内容を、運命を書き換えるような対処はできないのです。

んんんんん~~~~~~~~~もどかしい~~~~~~~!!

 

エンディング曲の「運命の風」なんて、まさしくそれを反映した歌詞。

『風は運命を乗せて 私をかきみだしては~』とかハッピーエンドで流れる歌とは思えない…。でも良曲すぎる…。

 

フルコンをしたときはあまりの救いのなさに「悲しい…」と呟いてしまいました。

詳しくはキャラクター個別で書きたいと思うのですが、華陀以外は救いがない…わかりやすい救いがない…なわけで本当に驚愕しました。

  完全に悲恋ですわ。ありがとうございました。

 

ですがあまりシリアスすぎる話は得意ではない私でも、シナリオにメリハリがあったおかげでなんとかフルコンできてよかったです。

本当に三国恋戦記は史実(?)を乙女ゲームとして調理するのがうますぎる。

しかもそれが蛇足だったりキャラクターの魅力を損ねるものではなく、むしろ深みを持たせるような自然な挿入なのが凄い。

昨今いろんな偉人の擬人化ゲームが出ていますが、三国恋戦記は頭二つぐらい抜けてよくアレンジできていて本当にすごい。語彙が追い付かない。

 

夢中になってプレイしましたが、やはり良かったからこそのボリューム不足を感じました。

1つのルートで5時間程度というのは昨今の乙女ゲームでは平均的というかボリュームがある方なのですが、それでも…!もっと補完してほしかった…!とくに本初…!

本初・伯符・華陀あたりは「もっと描きたい部分があったんじゃないか?」と感じる点も多く、移植にあわせて追記されるといいですね。切実に望んでいる。

 

 

また本の謎がちょっとだけ明かされましたね、まさかそこにも触れられるんか!と驚きました。

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華陀のルートで「『本は人間の製作であること』『時間を行き来できること』『本の持つ力のこと』」に触れられます。

つまるところ、三国志という大きな盤上に駒となり物語を動かす”娯楽”として本が存在していると推測できます。まあ華陀の時代ですら”都市伝説”としか本の存在を語られていないので難しいですが…。

本の持つ力について、逆説的になりますが本の持つ力を最大限に使ったのが前作の主人公だとするならば、この物語を劇的にドラマティックにする選択を強く・具体的に望むと本が叶えてくれる…のかもしれませんね。

戦に勝つ策がほしい、華陀さんにもう一度会いたい・もう一度やりなおしたい…等々。

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また本初ルートで、「人形(駒)は十数個あること、もしくはそれ以上あること」がわかります。

恋戦記では出てはいるが攻略できない蘆植は劉備(玄徳)のお師匠様だったりするので、彼の人形があったりする可能性もあるわけです。つまり攻略できるようになる。

また水滸伝や二国時代やそれこそ日本の戦国時代を舞台にした本もあるかもしれません。世界がさらに広がる。

うーん、深まる恋戦記の謎。

 

 

長くなってしまいました。

下記からはキャラクターの個別感想です。

 

 キャラクター別感想

仲穎

ビジュアルだけなら好きなタイプのキャラだったので大層楽しみにしていました。

いや~、好きな人はドはまりするタイプのシナリオでしたね。私も大好きです。

 

歴史には女の影がつきもの、悪政者には国を腐らせる美女がつきもの、三国志武将の失脚の原因はだいたい女なわけですが(偏見)、この作品はキャラクターと主人公の距離が近づこうものなら外野から「女の色香に惑うたか!」と叱咤されるので面白いです。

こんなに口酸っぱく「女の色」なんて注意してくれる作品も少なかろう。

 

仲穎にとって貂蝉(と奉先)は唯一無二であり、この世の光そのものだった。

完全に自分のものにしてしまった仲穎ルートではわかりにくいですが、奉先ルートでの二人の恋仲を知っていながらも巴を呼び寄せてしまったお話で、彼の弱さ・生き汚なさを感じながらも、奉先を思うと手が出せないという優しさなんかも仲穎という人物の人間臭さを感じて凄く良いなあと。全く自分の想いを喋ってくれないからわかりにくいけど。

自分の行動の矛盾に感じながらも、苦しみから逃れることを望まずにはいられない。

きっと貂蝉(と奉先)は「さっさと漢王朝滅ぼして死ぬンゴ…」と全てを諦めきっていた仲穎の救い…というより慰めそのものだっただろうなあ。

 

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(お前は俺の運命という男にはだいたい振り回されるから気を付けろ)

 

話は少々ずれてしまうのですが、絵に描いたような悪政者の末路をたどっていましたね。

今からするたとえ話で苦手な方がいらっしゃいましたら大変申し訳ないので薄色にします。

かのヒトラーには愛人がおり最期まで彼女とともに時間を過ごしたといわれています。

悪化する戦況の中、首都の地下壕に指令本部を移したヒトラー。避難しろと指示した愛人は彼の元に戻り、最期まで共にいる覚悟を伝えました。

愛人は自室に戻った失意の彼を支え、慰めていたそうです。

まもなく敗戦国の長となることを感じた彼は彼女とともに自死する道を選び、彼女も彼に続いて拳銃自殺をはかりました。

彼は彼女にとっては愛する一人の男で、その男は世間的には単なる独裁者であった。というだけのことだったんだろうなあと。

 

仲穎ルートをプレイしているとそのことが頭をよぎって仕方なかったです。

どんな悪政者でも愛した女がいて、その女は世間では情婦と下げずまれながらも男を愛し続けた。

そして歴史的にはだいたい諸共殺されます。

そういう歴史の語れない余白を描こうとした仲穎シナリオ、好き。

また二人がどんどんお互いの存在に溺れていき、2人の世界以外の描写が無くなりはじめたときには「ホンマに世界の終末を描いているようだ…」となんだか感慨深かったです。

死によって2人が別たれる未来という絶望が近づいていても、穏やかな日常を繰り返すことしかできない無力な2人。

この無力さこそ「三国恋戦記 魁」たるシナリオでしたね。。

 

いやー、魁で一番印象に残っているお話が仲穎ルートの女官の処罰を決めるシーンです。

兄皇帝を逃がした罪を問われる女官、主人公は既知である彼女を助けたいがせっかく仲穎に気に入れられ怪しまれることのなくなった立場故、なかなか口を出せない。

そうこうしているうちに、彼女は死刑となってしまう。

何も言い出せなかった主人公へむけて、女官はそっと微笑んだ。「これでいいのだ」と言うかのように。

そこで主人公は「自分はなんてことをしてしまったのだ」と激しく後悔するのですね。

もうね、人間の強さと弱さと無償の愛が詰め込まれたようなエピソード。凄い。

普通に目頭が熱くなりました。

この後の仲穎と貂蝉の話も好き…、愛した女が離れるのを極端に恐れる弱い男好き、、、ベッドインしてしまうけど、、、

 

仲穎ルートで一つ不満点があるとすればエンディング。

いやー、仲穎は「あの深い恨みに光る瞳を、殺してきた人々を忘れてはならない」と剣との対決を避ける提案を固辞したからこそ!忘れちゃいけないでしょ!

まあこれから徐々に悪夢をみるように思い出し、罪を背負うのかもしれませんが…。

でも仲穎が本質的に救われるには忘れるしかないもんなあ。難しい。

 

しかし庭の池でのシーンで「私の瞳だけみていればいいいんです!」というシーンとか本当に良かった。バッドエンドの「それは私の名前じゃない」というのも背筋がぞっとした。一番二人だけの世界が描かれていた分、濃密だった…。

 

 奉先

 先に仲穎のルートをプレイしたので、主人公が貂蝉ポジションだと知ったときはオイオイオイオイとなったのですがいやー、三国恋戦記は本当にすごい。奉先の魅力を損ねることはありませんでした。

 

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(副将殿は本当に良い味でていて本当によかった)

 

自分も相手も憎からず、むしろそれ以上に想いあっていることに気が付きながらも言い出せない2人。

そんな時期に主人公と仲穎が出会ってしまい、最愛の女は自分の最愛の養父に献上することになってしまった。

奉先…というか呂布はいまこそ武勇名高く人気ものですが、基本的に裏切り者の代名詞です。

ですが本作の奉先は違う。仲穎を裏切れず、かといって主人公を諦められず苦悶する。

それは主人公だって一緒で、あの時に告白しておけばととてもとても後悔をする。

 

そこで催された仲穎・奉先・主人公三人だけの宴。仲穎が席を立った後、2人は隠れて手を繋ぎ、お互いの名を呼びながら失ったものの大きさを再確認する。

本当になんちゅう悲しいシーンなんだ…

(この場を開催した仲穎、2人のことを想ってやったとはいえ本来の原因は仲穎なので、本当に自身の二面性に苦しむしかない男だなあ)

 

もうね、後半は悲しいシーンが多いんだけれど、前半は仲穎と打って変わって奉先の明るさに救われるようなお話でよかった。

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仲穎ルートだと困った顔で笑うのが印象的な主人公も、奉先ルートだと表情豊かでいつもニコニコしています。

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こんな拗ねた表情もしてみたりする。うーん、良い…。

初めてだから優しくしてねというシーンも本当に好き…あんまりそういうエッチなネタは乙女ゲームでは得意じゃないんだけど本作は良いアクセントになっていました。

 

そんな主人公でも奉先が裏切り者として名をのこす運命を変えられない。

バッドエンドのおじいちゃんが「血にまみれた手で弓に触れるな!」「その殺気はどうした!!」と詰問して終わるやつとか後味悪くてびっくりした。本当にびっくりした。

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(簡単に切り捨てられる浩太が可哀想すぎる)

 

歴史上の呂布は死んだが、奉先は巴とともに生きていく。

わかりやすくハッピーエンドでよかった。2人は全てを失ったけれど、2人ならまた築き上げていけるだろう。

 

 本初

 最初に断っておくと、プレイをしていて一番しんどかったのが本初ルートでした。

なぜかというと基本的に気を張り詰めていないといけないためですね。

他のキャラもどんどん自分の置かれている立場が悪くなっていくわけですが、本初ほど生きた心地のしないほど転がり落ちていくキャラもいない。

「早く…早く…本初を楽にしてあげて…もしくは主人公とさっさと両想いになって…」とずーっと願いながらプレイしてました。

頼むから早くベッドインさせてあげて…そうしたら本初頑張れるから…と祈りながらプレイしていました。

 

本初は名家に生まれて、なまじ能力が高く、周囲の期待にわりと応えられるため担ぎ上げられるのですがそれ以上のことはできないのですね。

仲穎のように王朝を滅ぼすという強い意志。

孟徳のように全土支配をするという強い意志。

伯符のように父の遺志を継ぐという強い願い。

もしくは華陀のように生きるために自分の役割に徹する割り切り。

本初に足りなったのは本当の「自分の願い」はどこにあるのかを最後まで認められなかったこと、逃げ出せなかったこと。

普通の良い人が三国志とかいう苛烈な嵐に巻き込まれてしまったのです。

 

男が好きな女にゆだね受け入れられることを望むのは自分の弱さなので、孟卓も指摘したように主人公に恋をしてしまったことで本初は更に弱くなってしまい、迷走してしまう。

本人は己を律しているつもりでも、ずぶずぶと深みにはまりおちていくのです。

 

本初~~~~~~~~~生まれた時代が悪すぎるよ~~~~~~~~(号泣)

 

時代が違えば、生まれた家が違えば、能力がなければ、本初のような人は幸せに生きたかもしれません。

動物を愛し、風流を愛し、やさしく穏やかな人がこんな悲しい運命をたどらなくてはならない三国時代の残酷さ…。

それこそ現代が舞台の乙女ゲームならなあ!ゆるふわ生徒会長枠なんだけど普段はおっとりしているのに取り仕切る場ではしっかり盛り上げるギャップ萌とかで人気を博し、世の乙女の痛バには本初の缶バッチがズラズラ、そして作品はアニメ化されEDでアイドルのようにキラキラ輝いて踊る本初がみれるんだよ!!!!アニ〇イトカフェで本初をイメージした煎茶ドリンクがな!飲めるんだよ!

生まれた時代が悪すぎるんだよ!

 

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(この慎ましい笑顔とかサイコーだよな!なんでキス以上のことさせてやらなかったんだ主人公!)

 

ちょっと真面目な話になりますが、もともと文官寄りの内政に強いタイプはだいたい猜疑心故に自滅することが多いです。

恋愛ゲームなので揺らぎ続ける本初の危うい心の均衡が、バッドエンドに入った途端に悪い形で破綻してしまうのはなんとも切ないです。

本初のバッドエンドも膨らむ疑いの気持ちで誰も信じられなくなってしまった。でも受け入れてあげればよかったやんけ主人公…きっと本初は少し持ち直したぞ…

 

もうね、本初が倒れた後のシナリオは仲穎シナリオと通ずるところがある。

負将だからこそ、熾烈な覇権争いに加わることもなく、自身が滅びゆく運命に身を任せるしかない。

政権争いに負け左遷された高官とか、帝に嫌われているけれど名目上殺せない文官とか、きっとこういう死んだ穏やかな時間を過ごしたんだろうなあ。

本初が「今が人生で最も幸せだ」と繰り返し言うところなど切ない。

もっとわかりやすい幸せはこの世にたくさんあるはずなのに、本初にその縁はなかった。

 

魁で、最も運命に翻弄されるがままだったのは本初ルートだと思います。

悲しい、悲しいお話だ。たのむから補完して。

 

あと孟徳は本当にクソ野郎で安心しました。これでこそ孟徳。

 

 伯符

みんな大好き孫家のお兄ちゃん、伯符~!

前作のプレイヤーこそ楽しみにしていたルートだと思います、私も楽しみにしていました。

 

血気盛ん、男気満点、地の果てまで馬を走らせる、部下の信頼も厚い。

そんなヤンチャなオニイチャンのこのスチルにはかなりやられました。

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完全に「萌すぎる…死んだ…火葬して…」という世の乙女ゲーマーの表情を再現したもので笑っちゃいました。

あんまりゲームのスチルは公式で出ているもの以外は貼りたくないのですが、これは伯符の良さが伝わるかなと思いまして…。可愛すぎワロタとなりました。

 

 

伯符の暗殺未遂をきっかけに、主人公のメンタルはどんどん壊れていき。。。

ちなみに主人公の悪夢は、本来は伯符が受けるものでした。負傷した伯符は枕元に立つ怨嗟の声に耐え切れず衰弱していき亡くなるのです。

これまで一切周囲をかえりみず己の道を突き進んだ伯符が立ち止まる選択をしたのは中々苦悶しただろうなあ。

それを受け入れてくれる配下の人たち…伯符は人に恵まれたな…先の3人は全く人に恵まれなかったのに…

 

しかし弱る主人公をみて歯がゆい想いをする攻略キャラクターという構図は良い、特になんでもできてしまう伯符も手出しできず悩んでしまうのが良い。

自分の愛する彼女が目の前で自殺しようとしたら息が止まるわなあ。

なにもできずに悔やみ続ける伯符、あまり尺を割いて描かれなかったですがここら辺を執拗に描写していたらとんでもない鬱ルートになっただろうなあ。

まあ魁でも屈指のメンタル強度を誇る伯符だからできたことであって、これが本初だったら大変なことになっていたと思う、うーん。

 

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(これなど可愛い)

 

伯符ルートといえば大喬。とても良い役割でした!なんか大喬大きくなっていたけれど、前作では本来の大喬小喬とは異なるみたいなそういう設定とかありましたっけ…?

前作全プレイヤーはあの大喬のいじらしさに「懐かし~~~~~」と震えたことだろう。

 

伯符が生きながらえた未来には、喜んで仲謀は片腕として彼を支え花ちゃんも仲謀を支え、軍師公瑾も辛い負い目なく孫家の未来を描き花ちゃんもそれを見る。そんな面白空間があるのかなあと思うとなんだかしみじみします。

 

伯符ルートのバッドエンド、凄かったですね。

二次創作が大変盛り上がるようなバッドエンドで感動しました。

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うう~ポニテ可愛い~。死んだ伯符は装い新たな主人公をみられないのが残念です。

伯符の名を継いだ彼女に、伯符に負けず劣らずイイ男仲謀や孟徳につぐクソ野郎公瑾も付き従うのかと思うと中々…二次創作が盛り上がりそう。

 

あと伯符ルートが存外純情路線だったのは声優NGなのかな?たつHSNGなのかな?

幸せなお話しでしたが後半は駆け足だったので、きっとここから描きたいところが沢山あったんだろうなあと思いながら…。

伯符が死ぬ運命が変わってないわけですし。

シナリオ補完してほしいルートのひとつですね。

 

 

華陀

先の四人は本当に辛いわけですが、華陀は一変。

なんというか前作の三国恋戦記に一番近い雰囲気でしたね。

わいわいと仲を深めていって、お互いに憎からず思うようになっても一歩踏み出せず、強い後悔で時間が巻き戻り、もう一度彼と生きていく未来を模索する…。

ということもあり、一番安心してプレイしたルートでした。

 

華陀は奉先ルートのバッドエンドの印象が強く、こいつは信用してはダメな奴では?と恐恐としていたのですが懐に入り込んだら良い人で安心しました。

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(本作の攻略キャラクター全員を盛大に中傷する華陀)

 

華陀ルート、なんというか甘酸っぱくてよかったです。

特に死んだという未来の自分が主人公へ紅を送ったというシーンのあとの煩悶する姿なんて、ただただ華陀の人の良さしか感じないエピソードでした。可愛い。

先の武将たちと違って華陀は命が散ることを良しとはしていない、だからこそ迷い込んでしまった世界で出会った同じ価値観の主人公に惹かれたんだろう。

 

華陀ルートの主人公は肩の力が抜けているというか、これが本来の彼女なのかな?という穏やかさや安心感があってよかったです。

乙女ゲームの主人公は、攻略キャラクターの鏡。彼らの行動を吸収するように次第に姿を変えていくわけですね。

 

いやー、エンディングが絵に描いたようなハッピーエンドで、オレたちが求めていたのはこれだよ!!!!!!!!!!!!!!(怒)となりました。

こ!!!れ!!なの!!!これからも2人は幸せに暮らすんだろなあ…と予感させる終わり方が!!!!!いいの!!!!

 

好みは人それぞれ、ましてはロクな死に方をしない三国志の世界の悪役たち、まともな終わりなんて望めないかもしれないけれどせめて幸せにあってほしいものです。

 

 

三国恋戦記 魁

三国恋戦記 魁

 

 

 

最後に

本当に面白かった分、作品の補完を願わずにはいられません~~~~。

そしてVITAとか携帯機でプレイするのが本当に楽なので移植して~「三国恋戦記 魁 おもいでがえし」出して~~~。

PCゲームなので最近ではなかなかプレイすることすら難しいとはおもいますが、PC環境のある方はご購入の上Daisy2にお布施してください!きっと信心と売上次第でFDが出るはずだ~

以上、ほとんど寝ずに書いたぽぽたんでした。

 

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